昭和電工は、2023年1月に昭和電工マテリアルズ(旧・日立化成)と統合し、現在はレゾナックグループとして事業を展開しています。上場会社はレゾナック・ホールディングス、事業会社はレゾナックです。
レゾナックは総合化学企業である一方、AI半導体向けの後工程材料、前工程材料、SiCエピタキシャルウェハーなどを幅広く扱う半導体材料メーカーでもあります。この記事では、昭和電工からの社名変更、半導体材料の製品群、SiC事業、競合、2026年の最新業績を解説します。
レゾナック(旧・昭和電工)の会社概要
| 上場会社 | 株式会社レゾナック・ホールディングス |
|---|---|
| 事業会社 | 株式会社レゾナック |
| 旧社名 | 昭和電工株式会社、昭和電工マテリアルズ株式会社 |
| 本社 | 東京都港区東新橋1-9-1 |
| 社長兼CEO | 髙橋 秀仁 |
| 上場市場 | 東京証券取引所プライム市場 |
| 証券コード | 4004 |
| 連結従業員数 | 23,936人(2024年12月31日時点) |
| 主な事業 | 半導体・電子材料、モビリティ、イノベーション材料、ケミカル |
「Resonac」は「RESONATE(共鳴する)」と「CHEMISTRY」の頭文字Cを組み合わせた名称です。材料メーカー単独では解決しにくい課題を、半導体メーカーや装置メーカーなどとの共創で解決する姿勢を表しています。
昭和電工からレゾナックへ変わった経緯
- 1939年:日本電気工業と昭和肥料の合併により昭和電工が発足
- 2020年:昭和電工が日立化成を買収
- 2020年10月:日立化成が昭和電工マテリアルズへ社名変更
- 2023年1月:昭和電工と昭和電工マテリアルズを統合し、レゾナックグループが発足
- 現在:レゾナック・ホールディングスがグループ戦略と上場機能を担い、レゾナックが事業を運営
旧昭和電工が持つSiC、電子材料、化学品の技術と、旧日立化成系が強みとする半導体後工程材料を組み合わせたことが統合のポイントです。「昭和電工マテリアルズ」を現在も独立した子会社として説明するのは正確ではありません。
出典:レゾナックの新社名発表
半導体材料は前工程から後工程まで幅広い
レゾナックの特徴は、半導体製造の前工程、後工程、デバイス関連を横断する製品群です。特に後工程材料は、生成AI向けの高性能半導体で重要性が増している先端パッケージに使われます。
| 分野 | 主な製品・技術 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 前工程材料 | 高純度ガス、CMP材料、各種機能材料 | 成膜、エッチング、洗浄、ウェハー平坦化 |
| 後工程材料 | 封止材、ダイボンディング材料、銅張積層板、感光性材料 | 半導体パッケージ、基板、チップ接続・保護 |
| デバイスソリューション | SiCエピタキシャルウェハー、ハードディスクメディア | パワー半導体、データセンター向け記録装置 |
2026年第1四半期には、AIを含む先端半導体向けの販売増により、後工程半導体材料の売上高が四半期として過去最高を記録しました。会社全体の売上高が前年同期比で減少する中でも、半導体・電子材料部門は増収増益となっています。
SiCエピタキシャルウェハー事業
SiCは、シリコンより高耐圧・高温動作・高速スイッチングに適したワイドバンドギャップ半導体です。レゾナックは、SiCパワーデバイスの主要材料となるSiCエピタキシャルウェハーを開発・生産しています。
- 主な用途:電気自動車、充電設備、再生可能エネルギー、産業機器
- 主な生産・開発拠点:埼玉県秩父市など
- 技術の重点:低欠陥・高品質化、200mm対応、生産性向上
- 2024年:Soitecと200mm SiC接合基板の共同開発で合意
2026年第1四半期のデバイスソリューションは、ハードディスクメディアのデータセンター需要が堅調だった一方、SiCエピウェハーでは顧客の在庫調整の影響がありました。SiC市場の長期成長期待だけでなく、短期的な需要変動と価格競争も見る必要があります。
SiC材料分野では、Wolfspeed(旧Cree)、ROHMグループ、STMicroelectronicsなどが競合・関連企業になります。
AI半導体と先端パッケージが成長分野
AI半導体では複数のチップやメモリを高密度に接続する先端パッケージ技術が重要です。レゾナックは、材料単体を販売するだけでなく、顧客や装置メーカーと材料の組み合わせを評価する開発体制を強化しています。
- JOINT3:次世代半導体パッケージの共同開発コンソーシアム
- パッケージングソリューションセンター:川崎で後工程材料の組み合わせを評価
- 高純度HFガス:2026年中に徳山事業所で生産を開始し、川崎との国内2拠点体制を構築予定
高純度HFガスは半導体回路のエッチング工程で使われます。レゾナックは、微細加工に対応するクライオエッチングなどの需要増を見込み、供給体制を強化しています。
2026年第1四半期の最新業績
| 指標 | 2026年第1四半期 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 全社売上高 | 3,078.9億円 | 4.1%減 |
| 全社コア営業利益 | 336.2億円 | 126.4%増 |
| 親会社所有者帰属利益 | 152.8億円 | 74.6%増 |
| 半導体・電子材料 売上高 | 1,347億円 | 21%増 |
| 半導体・電子材料 コア営業利益 | 340億円 | 74%増 |
半導体・電子材料部門では、後工程材料の売上高が前年同期比38%増の709億円となり、部門全体を押し上げました。AI関連材料の好調を受け、会社は2026年上期の同部門見通しを上方修正しています。
レゾナックの強みと課題
| 強み | 課題 |
|---|---|
| 前工程から後工程までの幅広い材料群 | 半導体市況と顧客在庫の変動 |
| AI向け先端パッケージ材料の高い競争力 | SiC市場の価格競争と需要調整 |
| 顧客・装置メーカーとの共創開発 | 事業ポートフォリオ改革の継続 |
| 旧昭和電工と旧日立化成の技術統合 | 大型投資の回収と安定した収益性 |
まとめ
- 昭和電工は昭和電工マテリアルズと統合し、2023年にレゾナックへ移行
- 上場会社はレゾナック・ホールディングス、証券コードは4004
- 前工程、後工程、SiCエピウェハーまで幅広い半導体材料を展開
- 2026年第1四半期はAI向け後工程材料が成長をけん引
- SiCの需要調整、価格競争、事業ポートフォリオ改革が今後の注目点
レゾナックは、旧昭和電工の総合化学技術と旧日立化成の後工程材料を統合し、AI時代の半導体材料を成長の中心に据える企業です。今後は先端パッケージ材料の成長、SiCエピウェハーの需要回復、半導体・電子材料部門の利益率が重要になります。

ご覧いただきありがとうございます。
よろしければ、シェアお願いします。

