Maxim Integratedとは?|Analog Devices(ADI)による買収と現在の製品

Maxim IntegratedのADIによる買収と電源・車載・エッジAI製品 企業分析

Maxim Integrated(マキシム・インテグレーテッド)は、2021年8月26日にAnalog Devices(ADI)による買収が完了し、現在は独立した上場企業ではありません。旧NASDAQ証券コード「MXIM」は上場廃止となりましたが、Maximが開発した電源管理IC、GMSL、インターフェースIC、組み込みAI製品は、ADIの製品群として引き続き提供されています。

この記事では、Maxim Integratedの現在の位置づけ、ADIが買収した理由、旧Maxim系の主要製品、ADIの最新業績を2026年7月時点の公式情報に基づいて解説します。

Maxim Integratedの現在の位置づけ

旧会社名Maxim Integrated Products, Inc.
現在Analog Devices, Inc.(ADI)の製品・事業の一部
買収完了日2021年8月26日
旧本社米国カリフォルニア州サンノゼ
旧証券コードNASDAQ: MXIM(上場廃止)
現在の上場会社Analog Devices(NASDAQ: ADI)
主な技術電源管理、アナログ・ミックスドシグナル、GMSL、マイコン・エッジAI、バッテリー管理
主な市場産業、車載、通信・データセンター、コンシューマー

Maximという企業名は買収後も製品名や資料に残ることがあります。一方、企業情報、投資情報、採用情報を確認する場合は、現在の親会社であるAnalog Devices(ADI)の情報を見る必要があります。

出典:Analog DevicesによるMaxim Integrated買収完了発表

ADIがMaxim Integratedを買収した理由

ADIは高性能アナログ半導体に強く、Maximは電源管理、車載、データセンター向け製品に強みを持っていました。両社の統合によって、センサーから信号処理、電源、通信まで、顧客に提供できる技術の幅が広がりました。

  • 製品ポートフォリオの補完:Maximのアプリケーション特化型電源管理製品を追加
  • 車載市場の強化:GMSLやバッテリー管理などを取り込む
  • データセンター分野の拡大:電源効率、監視、インターフェース製品を強化
  • 研究開発と販売網の統合:より多くの顧客に一体化したソリューションを提案

買収は全株式交換で行われ、Maximの株主は保有するMaxim株1株につきADI株0.63株を受け取りました。買収完了後、MXIM株のNASDAQでの取引は終了しています。

現在も使われている旧Maxim系の主要製品

電源管理・バッテリー管理IC

Maximは、DC/DCコンバーター、リニアレギュレーター、充電制御、バッテリー残量計、監視ICなどを幅広く展開してきました。電力効率、実装面積、発熱、保護機能が重要になる車載機器、産業機器、データセンター、携帯機器で使われます。

GMSL:車載カメラ向け高速シリアル通信

GMSL(Gigabit Multimedia Serial Link)は、カメラやディスプレイの映像・制御信号を高速に伝送する技術です。もともと車載向けに設計され、先進運転支援システム(ADAS)、サラウンドビュー、ドライバーモニタリングなどに利用されています。ADIは現在もGMSL製品を展開しており、MAX96717などの型番には旧Maximの「MAX」が残っています。

出典:ADI GMSL技術ページMAX96717製品ページ

MAX78000:超低消費電力のエッジAIマイコン

MAX78000は、Arm Cortex-M4、RISC-Vコプロセッサ、CNNアクセラレーターを組み合わせたAIマイコンです。クラウドへ常時データを送らず、端末側で画像や音声などを推論するエッジAI用途を想定しています。ADIの公式製品ページでは2026年7月時点で「Production」と表示されています。

出典:ADI MAX78000製品ページ

アナログ・ミックスドシグナルとインターフェース

データコンバーター、アンプ、クロック、アイソレーター、センサーインターフェースなども重要な製品群です。これらは現実世界の温度、圧力、電流、映像などの信号を測定・変換し、プロセッサへ正確に渡す役割を担います。

主な市場と競合企業

市場代表的な用途
産業工場自動化、計測、ロボット、電源、センサー
車載ADAS、車載カメラ、電動化、バッテリー管理
通信・データセンター電源管理、光通信、タイミング、監視
コンシューマーウェアラブル、携帯機器、ヘルスケア機器

競合にはTexas Instruments、Infineon Technologies、STMicroelectronics、NXP Semiconductors、Microchip Technology、onsemiなどがあります。ただし、競争相手は電源管理、車載通信、データコンバーター、マイコンなど製品分野ごとに異なります。

製造体制

統合後のADIは、自社工場と外部委託を組み合わせるハイブリッドな製造体制を採用しています。ADIの2025年度年次報告書によると、製造活動は主に米国、アイルランド、東南アジアで行われています。アナログ半導体では、最先端の微細化だけでなく、長期供給、品質、信頼性、製造工程の安定性が重要です。

ADIの最新業績

Maxim単独の売上高や株価は、買収完了後は存在しません。現在の事業規模を見るにはADIの連結業績を確認します。

期間売上高主なポイント
ADI 2025年度通期110億1,970万ドル前年度比17%増
ADI 2026年度第2四半期36億2,300万ドル前年同期比37%増、過去最高の四半期売上高

2026年度第2四半期は2026年5月2日までの3か月間です。ADIは産業、車載、通信で過去最高の受注を記録し、すべての最終市場で前年同期比増収となったと発表しました。一方、四半期の伸びだけで長期傾向を判断せず、在庫循環、設備投資、車載需要、地域別リスクも確認する必要があります。

出典:ADI 2025年度年次報告書ADI 2026年度第2四半期決算

強みと注意点

強み注意点
高性能アナログと電源管理を一社で提案できる産業・車載の需要循環に業績が左右される
GMSLなど車載向けの差別化技術競合が多く、製品分野ごとに価格・性能競争がある
旧MaximのMAX製品とADIの販売網統合後はMaxim単独の業績を切り分けられない
長い製品寿命を必要とする産業市場に強い供給網、輸出規制、地域情勢の影響を受ける

まとめ

  • Maxim Integratedは2021年8月にAnalog Devicesが買収した
  • 旧NASDAQ: MXIMは上場廃止となり、現在の投資対象はNASDAQ: ADI
  • 電源管理、GMSL、MAX78000など旧Maxim系の製品はADIで継続
  • ADIの2025年度売上高は約110億ドル、2026年度第2四半期は過去最高の四半期売上高
  • 現在の情報を調べるときはMaxim単独ではなくADIの製品・決算資料を確認する

Maximは会社としてADIに統合されましたが、その技術と製品ブランドは、電源、車載、産業、エッジAIの各分野で引き続き使われています。

※本記事は2026年7月14日時点の公開情報に基づきます。記載内容は投資助言ではありません。

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