CXMT(長鑫存儲技術)ってどんな会社?

企業分析

CXMT(チャンシン・メモリテクノロジー)って半導体企業としてどんな会社でしょうか?

あさって
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あさって(@dopodomaniii)が解説します

中国政府の戦略的支援を受け、急速に成長するDRAMメーカー「CXMT(長鑫存儲技術)」が世界市場に大きなインパクトを与えつつあります。本記事では、CXMTの企業概要から技術進化、製造拠点、業界内の位置づけ、そして今後の展望までを徹底解説します。

✔️ CXMT(長鑫存儲技術)とは?

企業概要

会社名長鑫存儲技術
(CXMT:CHANGXIN MEMORY TECHNOLOGY )
本社合肥市
(中華人民共和国安徽省)
設立年2016年
CEO朱一明/Zhu Yiming
(2018年7月–)
従業員数 5000人以上
取引市場非上場
証券コード(※香港上場を検討中、調達額は10億米ドル規模)

本社地図

安徽省合肥市经济技术开发区空港工业园兴业大道388号

董事長の朱一明/Zhu Yimingは、清華大学、ニューヨーク州立大学修士を経て米国の半導体メモリー企業勤務し、帰国後ギガデバイス(兆易創新)を設立した。その後2018年7月にCXMTの董事長にも就任。

✔️ 合併&提携戦略

  • 2016年5月 中国合肥で事業開始
  • 2017年7月 製造拠点を建設開始
  • 2017年11月16日 株式会社設立
  • 2018年11月 中国初の19nm&12インチDRAMを発売
  • 2019年9月17日 ギガデバイスの会長兼CEO朱一明さんを取締役会のメンバーに任命
  • 2019年9月20日 第1世代の10nm 8GbDDR4の量産開始 月産120,000ウェーハ
  • 2019年9月21日 総投資額 2,200億元を超える合肥長新集積回路製造拠点プロジェクトの調印
  • 2019年12月5日 Qimondaが開発したDRAM特許に関する特許ライセンス契約と特許購入契約を締結しました
  • 2020年4月 米国の半導体企業であるRambusInc.と特許ライセンス契約を締結
  • 子会社
    • イノトロンメモリー(Innotron Memory/睿力集成)
    • 长鑫存储技术(上海)有限公司(Changxin Storage Technology(Shanghai)Co.、Ltd.)
CXMTの企業価値は580億元(約1兆1千億円)と言われます。2019年に19nmプロセスラインの投資に際して、16億元のシンジケートローンが組まれました。156億元
あさって
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2023年にCXMTと同じ総経理の長鑫新橋存儲技術(長鑫新橋)が390億元(約8000億円)を調達しました。長鑫新橋の主な出資者は中国の半導体関連の国策ファンドである国家集成電路産業投資基金(大基金)で、出資比率は33%となる。CXMTは中国の重要課題の一つ半導体(メモリー)国産化の一翼を担うため、大基金の資金を受け入れている。またアリババやテンセントなどの大手IT企業もCXMTに出資をしています。

✔️ 製品

DDR4/DDR5 DRAM、今後はHBMにも注力

  • 8Gb DDR4 DRAM 2019年から量産
    19nmプロセス(10G1)
  • DDR5/LPDDR5 DRAM 2023年から量産
    17nmプロセス(10G3)

✔️ 技術進化と製品動向

  • 2018年:自社開発のチップの試作を開始
  • 2019年:19nmプロセスによるDDR4 DRAM量産開始
  • 2023年:17nm→16nmへの移行を確認(TechInsights)
  • 2024年:DDR5量産開始、歩留まりに課題は残るが大幅進展
  • 2025年:15nmプロセスの開発完了見込み、2026年後半に量産計画
  • 高帯域幅メモリ(HBM)にも研究開発を拡大中(HBM3/HBM2E)

✔️ 成長スピードと世界市場への影響

  • 月産:2024年初頭に10万枚 → 2025年には20万枚 → 2026年には30万枚に拡大予想
  • 2025年DRAM生産予測:273万枚(前年比68%増)
  • 世界DRAM市場でのシェア:2023年5% → 2025年12%に拡大可能性あり(TrendForce予測)
  • サムスンやSK hynixの生産量に迫りつつある(Micronに近い水準)

競争環境と業界構造の変化

  • 技術格差:従来は5年→ 現在は3年程度まで短縮
  • 一部ではサムスンの1Y nm世代に近い水準と評価される
  • DRAM市場の「ビッグ3」構造が崩れる可能性
  • コモディティ化市場での価格破壊により、大手に対する圧力増大
  • 中国製品の台頭による価格下落で、サムスンなどに収益影響の懸念

✔️ 政治・地政学的リスク

  • 2024年:米国防総省により「中国軍事企業」に指定
  • 米国主導の対中輸出規制により装置・材料入手に課題あり
  • それでも技術進歩が進んでいる点は注目

✔️ 中国メモリ産業全体の動向

  • YMTCとの連携・並行成長
  • NANDではXtacking技術、DRAMではコモディティ市場での急伸
  • 中国メモリ企業の世界戦略が加速中
あさって
あさって

CXMTの成長は、中国の国家戦略がいかに産業を動かせるかを示す好例です。世界のDRAM市場において「ビッグ4」の時代が到来するか、今後の動向に要注目です!

✔️ 製造拠点

製造技術は2009年に倒産したドイツのキマンダ(インフィニオン)の技術を採用しています。12インチウェーハで、中国国内でDRAMを製造しています。

  • 前工程
    • 中国 合肥市 Fab1
      クリーンルーム65000m2 月産最大 12万枚
    • 中国 合肥市 Fab2
      稼働時期は2023年を計画していたが、2024〜25年に延期
  • 後工程
    DRAM製品の後工程は全てOSATに委託しています。
あさって
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