インド政府は2026年7月15日、半導体エコシステム強化に向けた新スキーム「Semicon 2.0」を閣議承認しました。予算規模は1兆2,750億ルピー(約132億3,000万ドル)で、チップ設計から人材育成まで6本柱で構成されます。2022年開始の「Semicon 1.0(India Semiconductor Mission)」で前工程・パッケージング拠点の建設が進む中、インドは半導体バリューチェーン全体への関与を広げようとしています。
この記事で分かること
- Semicon 2.0の予算規模と6本柱の内容
- 先行するSemicon 1.0の進捗(承認済み拠点、参画企業)
- Semicon 2.0が想定する対象分野
- 現時点で未確定な事項(審査スケジュール、選定基準)
概要
インド政府は2026年7月15日、電子情報技術省(MeitY)が主導する新スキーム「Semicon 2.0」を閣議承認したと発表しました(インド政府PIB公式発表)。予算規模は1兆2,750億ルピー(約132億3,000万ドル)で、チップ設計、サプライチェーン、製造、パッケージング、研究開発、人材育成の6分野を対象とします。2022年に開始された「India Semiconductor Mission(Semicon 1.0)」を土台に、前工程の製造だけでなく設計・パッケージング・材料まで含めた、より統合的なバリューチェーン構築を目指す政策です。
詳細
インド政府PIB公式発表および複数メディアで確認できた主なポイントは次の通りです。
- Semicon 2.0の予算:1兆2,750億ルピー(約132億3,000万ドル)
- 対象6分野:チップ設計、サプライチェーン、製造、パッケージング、研究開発、人材育成
- Semicon 1.0の進捗:12件の製造拠点(シリコンファブ1件、SiCファブ1件、GaN Micro LEDディスプレイファブ1件、パッケージング拠点9件)が承認済みで、累計投資額はルピー1.64兆クローレ(約170億2,000万ドル)超
- Semicon 1.0で既に商業生産を開始した企業:Micron、Kaynes、CG Semi
- Semicon 1.0関連で表明されている企業投資:Applied Materials(4億ドル)、AMD(4億ドル)、Microchip Technology(3億ドル)、Lam Research(11億ドル)、KLA(4億ドル)
業界への影響
Semicon 2.0は、単なる前工程ファブの誘致にとどまらず、チップ設計・パッケージング・特殊材料・研究開発・人材育成までを対象に含めている点が特徴です。これは、TSMCやIntel、Samsungのような前工程ファブ誘致競争が世界各国で激化する中、インドが「バリューチェーン全体で存在感を持つ」戦略へシフトしていることを示しています。Applied Materials、Lam Research、KLAといった主要な半導体製造装置メーカーが既にSemicon 1.0の枠組みで投資を表明していることから、Semicon 2.0でも装置・材料メーカーの追加投資が焦点になると見られます。
日本との関係
現時点で確認できた資料の範囲では、Semicon 2.0において日本企業の関与が具体的に示されているわけではありません。ただし、Semicon 1.0の枠組みでは半導体製造装置・特殊材料の分野で世界的なサプライヤーが投資を表明しており、日本の装置・材料メーカーにとってもインド市場への参入機会が広がる可能性があります。今後、日本企業の投資表明や協業発表がないか、継続して確認する価値があります。
今後の見通し
- Semicon 2.0の具体的な申請・審査スケジュール
- 対象となる個別プロジェクトの選定基準
- 追加で投資を表明する企業(装置・材料メーカーを含む)
- Semicon 1.0拠点(12件)の稼働・量産開始状況
これらが明らかになった段階で、本記事を更新します。
まとめ
インド政府は「Semicon 2.0」スキームを閣議承認し、1兆2,750億ルピーをチップ設計からパッケージング、人材育成まで6分野に投資する計画を示しました。先行するSemicon 1.0では12件の製造拠点が承認済みで、Applied Materials・AMD・Lam Research・KLAなど主要企業が投資を表明しています。審査スケジュールや個別プロジェクトの選定基準は今後の発表を待つ必要があり、継続して確認していきます。

