ベルリン発NextGO Epi、酸化ガリウム半導体の事業拡大へ200万ユーロを調達

企業分析

ベルリンのディープテック企業NextGO Epiが2026年7月15日、200万ユーロのプレシード資金調達を発表した。同社はLeibniz-Institut für Kristallzüchtung(IKZ、ライプニッツ結晶成長研究所)から2025年にスピンオフした企業で、最大4インチの産業品質酸化ガリウム・エピタキシャルウエハーを製造する、欧州で唯一の企業とされる。調達資金は製品開発、チーム拡大、欧州および海外市場での商業展開に充てる方針。

この記事で分かること

  • NextGO Epiの200万ユーロ調達の内容と出資者
  • 酸化ガリウムという次世代パワー半導体材料の特徴
  • 想定される用途と、実証段階の見通し数値をどう扱うべきか

概要

酸化ガリウム(Ga2O3)は、シリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)に続く次世代の超広帯域ギャップ半導体材料として注目されている。NextGO Epiは、この酸化ガリウムのエピタキシャルウエハー(エピウエハー)製造に特化したスタートアップで、今回の資金調達は同社にとって初の機関投資家からの出資となる。

詳細

一次情報(NextGO Epi公式発表、electrive.com、Semiconductor Today)で確認できた主なポイントは次の通りです。

  • 2026年7月15日、200万ユーロのプレシード資金調達を発表。資金調達はVireo Venturesが主導し、Ultratech Capital Partners、IBB Ventures、個人投資家(Boris Habets氏)が参加
  • NextGO EpiはIKZから2025年にスピンオフしたベルリン拠点の企業で、最大4インチの産業品質酸化ガリウム・エピタキシャルウエハーを製造していると説明
  • 創業チームは酸化ガリウム分野で10年以上の研究経験を持ち、国際特許2件を取得
  • 調達資金は製品開発、チーム拡大、欧州および海外市場での商業展開に充てる方針
  • 想定用途としてEV充電、再生可能エネルギー、AIデータセンターなどの電力変換用途が挙げられている
  • 酸化ガリウムはSiC・GaNと比べて電圧耐性が高くエネルギー損失が小さい次世代材料と説明されているが、具体的な効率・電圧・コストの比較数値やEV充電時間短縮効果は、NextGO Epi側の見通しであり、第三者による検証済みの実績値ではない点に注意が必要

業界への影響

酸化ガリウムは、パワー半導体材料としてSiC・GaNに続く候補として研究段階から実用化段階への移行が期待されている材料である。NextGO Epiのような専業スタートアップへの機関投資家の出資は、欧州における半導体材料サプライチェーンの多様化・自立化という文脈でも注目される動きといえる。EV・再生可能エネルギー・AIデータセンターといった電力変換需要の拡大が、こうした新素材への投資を後押ししている。

日本との関係

酸化ガリウムはSiC・GaNと同様に日本でも研究開発が進められている材料であり、NextGO Epiの動向は日本のパワー半導体材料メーカー・研究機関にとっても競合・協業双方の観点から参考になる。欧州発のスタートアップが量産技術を確立できるかどうかは、日本企業が持つ材料・製造技術との差別化を考える上でも継続的に確認する価値がある。

今後の見通し

  • 量産能力、ウエハー出荷量、売上規模などの事業化の進捗
  • 顧客評価の進捗と具体的な採用製品・採用企業
  • 酸化ガリウムデバイスの耐圧・効率・信頼性に関する第三者データの有無
  • 200万ユーロの具体的な資金使途の内訳と、次回調達計画

まとめ

ベルリンのNextGO Epiは、酸化ガリウム・エピタキシャルウエハーの事業拡大に向けて200万ユーロのプレシード資金調達を発表した。IKZからのスピンオフとして欧州で唯一の産業品質酸化ガリウムエピウエハー生産企業とされ、EV充電・再生可能エネルギー・AIデータセンターなど電力変換用途での実用化が期待される。ただし性能・コスト面の具体的な数値は現時点で企業側の見通しにとどまり、今後の量産化・顧客採用の進捗を継続的に確認する必要がある。

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