日立・インテル・産総研、シリコン量子コンピュータ研究開発を開始 2030年に1,000量子ビット規模の試作機を目指す

企業分析

日立製作所は2026年7月23日、NEDO公募「社会課題解決に向けた量子コンピュータ次世代機開発・実証の加速」の実施予定先として採択され、インテル日本法人・産業技術総合研究所(産総研)と共同で、半導体ベースの「シリコン量子コンピュータ」の研究開発を開始すると発表しました。実施期間は2029年3月末までを予定し、2028年度に100量子ビット、2030年に量子誤り訂正符号を実装した1,000量子ビット規模の試作機実現を目指すマイルストーンを設定しています。この取り組みは、日立とインテルが2026年6月に発表した戦略的協業のうち、量子コンピューティング分野を具体化する案件と位置づけられています。

この記事で分かること

  • 3者共同研究の内容と実施期間・マイルストーン
  • 「シリコン量子コンピュータ」がなぜ産業応用に近いとされるか
  • クラウド公開を含む段階的なサービス展開構想

概要

量子コンピュータには超伝導方式・イオントラップ方式など複数の実装方式がありますが、シリコン半導体をベースとする方式は、既存の半導体製造技術を転用できる可能性がある点で、量子ビットの大規模集積・産業応用への近道になり得ると期待されています。今回の共同研究は、日立の量子技術、インテルの半導体製造・設計ノウハウ、産総研の研究基盤を組み合わせ、研究実証段階から産業利用への橋渡しを狙う取り組みです。

詳細

一次情報(日立製作所公式発表)で確認できた主なポイントは次の通りです。

  • 日立製作所は、NEDO公募「社会課題解決に向けた量子コンピュータ次世代機開発・実証の加速」の実施予定先として採択された
  • インテル日本法人・産業技術総合研究所(産総研)と共同で、半導体ベースの「シリコン量子コンピュータ」の研究開発を開始する
  • 実施期間は2029年3月末までを予定
  • マイルストーンとして、2028年度に100量子ビット、2030年に量子誤り訂正符号を実装した1,000量子ビット規模の試作機実現を目指す
  • 量子ビットチップの設計・実装・クラウド運用の基盤技術をもとに、2027年度までにクラウド公開を実施し、段階的なサービス展開を構想している
  • 日立とインテルが2026年6月に発表した戦略的協業のうち、量子コンピューティング分野を具体化する案件と位置づけられている

業界への影響

シリコンベースの量子コンピュータ開発が進めば、既存の半導体製造インフラ・ノウハウを量子デバイスの大規模集積に転用できる可能性があり、量子コンピュータの実用化・コスト低減を早める要因になり得ます。日立・インテル・産総研という、企業2社と公的研究機関の組み合わせは、基礎研究から産業応用までを見据えた体制として注目されます。

日本との関係

本件は日立製作所・産業技術総合研究所という日本企業・研究機関が主体となる取り組みであり、日本の量子コンピュータ研究開発における官民連携の一例です。NEDO公募事業として採択されたことは、日本政府が量子技術を戦略分野として支援していることを示しています。

今後の見通し

  • NEDO事業の具体的な予算規模
  • 2028年度の100量子ビット目標の達成状況
  • 他の量子コンピュータ方式(超伝導・イオントラップ等)との位置づけの違い
  • 2027年度までのクラウド公開の具体的な内容

まとめ

日立製作所・インテル日本法人・産総研は、半導体ベースの「シリコン量子コンピュータ」の共同研究開発を開始し、2030年に量子誤り訂正符号を実装した1,000量子ビット規模の試作機実現を目指しています。既存の半導体製造技術を量子デバイスへ転用する動きとして注目される取り組みで、今後は2028年度の中間目標の達成状況を確認する必要があります。

タイトルとURLをコピーしました