国内半導体装置メーカー2027年3月期第1四半期決算まとめ AI・HBM需要が明暗を分ける

企業分析

国内主要半導体製造装置メーカーの2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月期)決算が出そろい、生成AI・HBM(広帯域メモリ)向け投資の恩恵を強く受けた企業と、ファウンドリ・ロジック向け需要の減速に苦しむ企業とで、明暗がくっきり分かれる結果となった。EE Times Japanが2026年8月19日に各社決算をまとめて紹介している。

この記事で分かること

  • 東京エレクトロン・アドバンテスト・ディスコ・KOKUSAI ELECTRICの大幅増収増益の内容
  • SCREENホールディングスが減収減益となった理由
  • ニコン精機事業の状況を含めた業界全体の傾向

概要

各社の決算短信によると、AI向けデータセンター投資やHBM関連の高付加価値製品需要を取り込めた企業は軒並み大幅増益となった一方、ファウンドリ・ロジック向け汎用装置が中心のSCREENホールディングスは減収減益となった。半導体製造装置業界の中でも、AI・メモリ向け投資の恩恵の受けやすさによって業績の明暗が分かれている。

詳細

各社の決算短信で確認できた主な数値は次の通りです(いずれも2026年4〜6月期、連結、前年同期比)。

  • 東京エレクトロン:売上高7,324億円(+33.3%)、営業利益2,114億円(+46.1%)。生成AIデータセンター向け高付加価値製品需要が業績を押し上げ、2027年3月期上期の経常利益予想を4,370億円から4,640億円へ上方修正
  • アドバンテスト:売上高3,675億円(+39.3%)、営業利益1,900億円(+53.3%)。AI関連の高性能半導体向けテスタ需要拡大が主因で、通期予想を売上高1兆7,140億円(+51.9%)、営業利益8,460億円(+69.5%)へ上方修正
  • ディスコ:売上高1,143億800万円(+27.1%)、営業利益490億3,300万円(+42.2%)。生成AI需要拡大によるデータセンター向け投資が継続し、先端ロジック・HBM向け高付加価値製品の出荷が好調
  • KOKUSAI ELECTRIC:売上高754億1,400万円(+45.6%)、調整後営業利益173億7,100万円(+59.3%)。DRAM・ロジック向けの生成AI関連設備投資の加速を受け、通期予想を売上高3,400億円(+44.6%)、営業利益794億円(+89.8%)へ上方修正
  • SCREENホールディングス:売上高1,217億7,500万円(▲10.3%)、営業利益143億6,800万円(▲41.1%)。主力の半導体製造装置(SPE)事業がファウンドリ・ロジック向け装置販売の減少で苦戦(売上高▲15.0%、営業利益▲44.0%)。ただし通期予想は売上高7,430億円(+22.7%)、営業利益1,565億円(+27.7%)へ上方修正
  • ニコン(精機事業):売上収益382億円(+13.2%)、ArFドライ露光装置などの販売が増収要因。ただし棚卸資産評価損41億円の計上で減益、会社全体では営業損失9億9,700万円(前年同期は11億9,100万円の損失)と赤字が継続

なお、レーザーテック・キヤノンは決算期がそれぞれ6月期・12月期であり、今回の4〜6月期という区切りでは単純比較できないため、本記事では対象外とした。

業界への影響

生成AI・HBM向け需要を取り込めるかどうかが、国内半導体製造装置メーカーの明暗を分ける最大の要因になっている。東京エレクトロン・アドバンテスト・ディスコ・KOKUSAI ELECTRICはいずれも通期予想を上方修正しており、AI関連投資の勢いが少なくとも2026年後半までは続くとの見方が業界内で強いことがうかがえる。一方でSCREENホールディングスのようにファウンドリ・ロジック向け汎用装置の比率が高い企業は、足元の需要減速の影響を受けやすい構図が浮き彫りになった。

日本との関係

いずれも日本を代表する半導体製造装置メーカーの決算であり、日本の半導体産業の競争力・雇用・設備投資動向に直結するテーマである。特に東京エレクトロン・アドバンテスト・ディスコの好業績は、AI半導体サプライチェーンにおける日本企業の存在感を裏付けるものといえる。

今後の見通し

  • 各社が上方修正した通期予想が、2027年3月期を通じて維持されるか
  • SCREENホールディングスのファウンドリ・ロジック向け需要が下期にかけて回復するか
  • レーザーテック・キヤノンなど決算期の異なる企業を含めた業界全体の動向

まとめ

国内半導体製造装置メーカーの2027年3月期第1四半期決算は、生成AI・HBM向け需要の恩恵を受けた東京エレクトロン・アドバンテスト・ディスコ・KOKUSAI ELECTRICが大幅増収増益となる一方、ファウンドリ・ロジック向けが中心のSCREENホールディングスは減収減益となった。AI関連投資の勢いが業界の業績を左右する構図が続いており、今後も各社の決算動向を継続的に確認する必要がある。

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