AMD、Radeon GPUを8月から最低10%値上げ GDDR6メモリ価格3倍高騰が直撃

企業分析

AMDは2026年8月、ボードパートナー(カスタム基板メーカー)に対し、Radeon RX 9000シリーズ向けGPUキット(GPUダイとVRAMのセット)の供給価格を最低10%引き上げると通達した。背景にあるのはGDDR6メモリ価格の急騰で、2025年末以降1GBあたり約2.5ドルから約7.5ドルへとおよそ3倍に上昇している。中国ではRX 9070 XTの公式ガイダンス価格が発売時(2025年3月、4,999元)から40%高い6,999元(約1,038ドル)に達して初めて1,000ドルの大台を突破し、米国でもASUS製品が最大17.5%値上げされるなど、実際の店頭価格への波及が既に始まっている。

この記事で分かること

  • AMDがボードパートナーへ通達した値上げの規模と対象製品
  • GDDR6メモリ価格急騰という値上げの背景
  • 中国・米国それぞれで実際に確認された値上げ幅の具体例

概要

AMDは2026年6月時点で価格構造の見直しを検討していたが、競合NVIDIAの値上げ動向を見極めた上で、8月から実施に踏み切った。対象はRadeon RX 9000シリーズ全体(RX 9060 XT、RX 9070、RX 9070 XT)で、特に16GB以上のメモリを搭載する上位モデルほど影響が大きいとみられる。値上げはまずGPUキット単位の卸値に適用され、末端の小売価格への反映タイミングは在庫状況によって前後する。

詳細

以下は複数の独立した報道で確認された事実である。

  • AMDはボードパートナーに対し、Radeon RX 9000シリーズ向けGPUキット価格を2026年8月から最低10%引き上げると通達した
  • 値上げの主因はGDDR6メモリ価格の急騰で、2025年末以降1GBあたり約2.5ドルから約7.5ドルへおよそ3倍に上昇している(AI関連需要の急増による製造能力逼迫が背景)
  • AMDはNVIDIAが先に値上げに動いたことを確認してから、自社の値上げ実施を決定した
  • 中国では、Radeon RX 9070 XTの公式チャネルガイダンス価格が6,999元(約1,038ドル)に達し、2025年3月の発売時価格4,999元(約741ドル)から40%上昇して初めて1,000ドルを突破した
  • 中国のASUS・GIGABYTE製品は7月比でおよそ20%値上げされ、RX 9060 XTで最大650元、RX 9070 XTで最大1,150元の上昇が確認されている
  • 米国でもASUSがオンラインストアの価格を無告知で改定し、「Prime Radeon RX 9070 XT OC」は799.99ドルから939.99ドルへ(17.5%上昇)、「TUF Gaming Radeon RX 9070 XT OC」は約850ドルから989.99ドルへ(16.5%上昇)値上げされた

業界への影響

今回の値上げは、AMD単独の値付け戦略というより、GDDR6メモリを巡る業界全体の需給逼迫を映す動きである。AI関連需要によるメモリ製造能力の逼迫は、GPU向けGDDR6だけでなく汎用DRAMの価格上昇にもつながっており、パソコン・ゲーム機向け部材のコスト構造全体を押し上げている。NVIDIA・AMDの2大GPUベンダーがそろって値上げに動いたことで、少なくとも2026年後半にかけてハイエンドGPUの実売価格は高止まりする可能性が高い。

日本との関係

今回確認できた情報の範囲では、日本企業への直接の言及はない。ただし、Radeon RX 9000シリーズは日本国内のPCショップでも広く販売されており、中国・米国で先行して確認された値上げは、時間差を伴いつつ日本国内の実売価格にも波及する可能性が高い。自作PC市場やゲーミングPC需要への影響という観点で、国内販売代理店の対応を注視する価値がある。

今後の見通し

  • 日本を含む各国市場での実際の値上げ反映時期と幅
  • GDDR6メモリ価格の高騰がいつまで続くか、AI関連需要とのバランス
  • NVIDIAの追加値上げの有無と、AMDとの価格差の推移
  • 既存在庫が捌けた後、値上げ後の新価格がどこまで定着するか

これらの動向については、続報が入り次第この記事を更新する。

まとめ

AMDは2026年8月から、Radeon RX 9000シリーズ向けGPUキット価格を最低10%引き上げた。背景にはGDDR6メモリ価格のおよそ3倍という急騰があり、中国ではRX 9070 XTが発売時から40%高い6,999元(約1,038ドル)で初めて1,000ドルを突破、米国でもASUS製品が最大17.5%値上げされるなど、実際の店頭価格への波及が既に確認されている。NVIDIAとの値上げ合戦が続く中、ハイエンドGPUの価格動向は今後も注視が必要だ。

タイトルとURLをコピーしました